①に続いて、以下は、特に技能実習制度を活用している企業が、今後「特定技能」人材を雇用する際に気を付けなければいけないこととなります。
<注意4>受入体制の見直し
これは採用前の自社点検ですね。
そもそも、現在働いている技能実習生が、そのままその企業で特定技能として働かず母国に帰る。あるいは別の会社で特定技能として働くといったケースがある場合は、企業内に外国人にとって何かしらのマイナスの理由が存在している可能性があります。その理由が明確に認識できないままでは、新しく雇用する特定技能もすぐに辞めてしまう可能性が残ったままになります。
ちなみに、外国人スタッフとのコミュニケーションがどの程度できているかどうか下記をチェックしてみてください。
①聞き取れるようにゆっくり話しているかどうか
伝えた後、外国人スタッフからジェスチャーを使ってでもいいので、理解しているかどうか表現してもらうまでをセットにした確認する習慣があればいいですね!
②短い文で伝えているかどうか
長い文なんて聞き取れません。短い文に小分けして伝えましょう!
③「さっとやる」「パッとする」などオノマトペを多用していないかどうか
日本語のオノマトペだけでも約4,500ほどあると言われています。不思議なことに私たち日本人はどこで覚えたのかわかりませんが、日本人同士ではほぼすべてのオノマトペが伝わります。しかもニュアンスを伝えるにはとても便利な表現方法です。しかし、外国人にとっては、すべてゼロから覚えないといけない単語になります。つまり覚えられません。毎日職場で使っていると覚えますが、それほど話す機会がない職場で、いきなりオノマトペが使われると、知らない単語のオンパレードになってしまいます。オノマトペは日々の生活の中から学ぶのが一番吸収が早いです。オノマトペを教えてあげることをきっかけに社内コミュニケーションを増やしてみてはいかがでしょうか?
④伝える際、怖い顔になっていないかどうか
言語が伝わりにくい相手にとって、話し手の表情や態度が唯一掴み取れるコミュニケーション手段となります。人間が怖い顔で話をするときは、興奮しているのでほとんどの人が早口になってしまいます。つまり相手には何も伝わっていないです。使い方によっては、有益ですが、乱用すると相手と距離が生まれ、信頼関係など夢のまた夢といった状況になります。
⑤たまにでも相手の母国語で挨拶するなど前向きなコミュニケーションしているかどうか
自分はシャイだからできないなどと言わないでください。外国人も同じです。海外に行った際、日本語はまったく話せないのに、知っている挨拶、例えば「こんにちは」など言ってくれると急に親近感がわいたり、こちら側に歩み寄ってくれている雰囲気が伝わりますよね。これとまったく同じです。される側からする側になりましょう!
このあたりのテクニックは、こちらでも確認できますのでご覧ください。
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<注意5>「制度」と「資格」の違いを理解する
注意4の内容からもわかるように、特定技能の対象者はそれほど優秀ではありません。日本語がつうじにくいという点では、今いる技能実習生のほうが日本語が通じやすいケースのほうが多いと思います。そもそも技能実習は、言葉の通り技能実習制度で就労資格ではありません。ただのインターン制度です。それに対して特定技能は就労資格です。今後、技能実習制度と特定技能の位置付け・あり方についての要件(家族帯同ができるかどうか、特定技能1号終了後はどうなるかなど)は緩和されていくと思いますが、正規社員として雇用するのと、監理組合を通じて派遣として雇用するのには大きな違いがあります。経営者の方だと、この大きな違い・リスクはよくご存知かと思います。
<注意6>「制度」と「資格」の違いを理解させる
注意5と同様に、対象者自身がこの違いを理解していないとトラブルの原因となります。この部分は、人材会社があらかじめ説明してくれてそうで、意外と誰も何の説明もしていないことが多いです。当の外国人材たちは「日本人と給与が同等、転職できる」ぐらいしか理解していないと思っていた方が、様々なリスクを回避するための必要な対応が想定しやすいと思います。
ただし、当然ですが転職してはいけないとか法律に反する縛りや約束事などを設けることはできません。日本人と同じです。
特定技能の雇用を、技能実習と同じように考えていると様々なトラブルを誘発しますので、その違いを理解することは非常に重要です。自分たちだけではなく、対象者にも理解を求めることが大切です。人材会社、登録支援機関などですら理解できていないケースも見受けられますので注意しましょう。
注意点はまだまだありますが、それは次回以降にて取り上げたく思います。
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