ときには第三者の力を借りよう!
外国人材は、大事なことをいつも一緒に働いている会社の日本人に言わない傾向が多々あります。その代わり外部の人間にはサクッと言ったりします。
なぜか?
お互いがお互いのことを理解できていないことからはじめよう
そんなことは本人に聞いてみてください。と言いたいところです。しかし、期待した答えは返ってこないと思います。なぜなら、一緒に働いている日本人からすれば、大事なことだと思っていることが外国人材にとっては大事ではないからかもしれません。また、大事なことを言う関係ではないと思われているかもしれません。はたまた、人に相談する・弱みを見せるなどといった行為はプライドが傷つくのでそもそも会社の人には相談しないといった考え方を持っているかもしれません。
日本人が大事だと思うことを外国人材にも同様に大事なことだと共有するには、常日頃のコミュニケーションを通してお互いの文化の違いを理解しあうしか埋めることはできません。
また大事なことを言う関係になる以前に、実は知らない間に彼ら彼女たちのプライドを傷つけてしまって信頼関係が無くなっている背景が既にあるかもしれません(みんなの前で怒ったり、注意するなど)。
こう言うと常日頃寄り添っている人事担当者、メンターの方、外国人材担当者からすると寂しい気持ちでいっぱいになるかもしれません。
ですが現実にあることです。
意外にも外部の人間にはぽろっと弱みや悩みをすぐに打ち明ける傾向があるということは、信頼関係を損なう行動が会社内に存在している可能性が高いかもしれません。
一度損なってしまった信頼関係は元に戻すには大変です。会話がままならない外国人材の場合はなおさらです。
外国人を雇用すれば、全てを彼ら彼女たちに合わせないといけないのか?と思われる経営者の方も多いかと思います。もちろん合わせなくてもいい領域はあっていいと思います。育ってきた環境・文化・習慣が違うのだからどうやっても分かり得ない部分はあると割り切った考えを持つのも一つの手段です。
自社内で対応できる領域と、第三者だから効果的に対応できる領域を分けることで生産性が上がるのであれば、第三者を活用する手法は取り入れるべきだと考えます。
しかし、ここで勘違いしてはいけないのは、第三者に依存しすぎることです。
依存は禁物
第三者に依存しがちな分かりやすい例として、まさしく技能実習生を雇用する企業と監理組合の関係。また特定技能を雇用する企業と登録支援機関の関係があげられるのではないでしょうか?
雇用元からみたこれらの外部機関は申請された計画が予定通り遂行されているかどうかの確認と補助的なサポートの役割であって、コミュニケーションの主体ではありません。外国人材とのコミュニケーションの主体になる(または目指す)ことで初めて第三者の存在が有効となります(補助的なサポートすら出来ている出来ていないの話はここではしません)。
ここを勘違いしてしまうと、当の外国人材からすると結局誰ともコミュニケーションができない環境で過ごすことになります。
これまで技能実習生を取り巻く悲惨な事件事故が報道で取り上げられていますが、おそらくこのような状況下にあったことが一つの要因になっていたのかもしれませんね(あくまで推測ですが)。
離職・失踪など外国人材を雇用する企業にとってマイナスになる原因のほとんどは、会社内の日本人とのコミュニケーション不足がきっかけとなります。起きている時間のほとんどを一緒に過ごすのは雇用している企業の皆さんですので、積極的にコミュニケーションをとる社内体制・姿勢を構築しなければいけません。かといってガチガチに管理すればなんとかなるのでは?という考えの経営者もいるかもしれませんが、軍隊でもないため、不平不満を溜め込んで一気に爆発する機会をつくるだけです。
いくら管理しても、人と人との距離は縮まりません。
まずは第三者に依存せず、自社内でのコミュニケーションが活性化する方策を検討しましょう!
多国籍雇用のケース
外国人雇用においては、一つの国籍に絞って雇用する会社もあれば、国籍は絞らず多国籍で雇用する会社もあります。国籍によって採用するか不採用にするかなどは国籍差別になってしまうのでここでは明言を避けますが、外国人雇用自体に慣れていない場合は、多国籍の方を雇用することは十分注意を払わなければいけません。
違う国籍同士の外国人材が同じ働く場において社内での共通の言語が日本語となると、特に技能実習や特定技能など日本語でのコミュニケーションが十分にできないレベルの人材の場合は、多国籍雇用は慣れない間は避けた方が賢明です。
ある飲食店での一例ですが、「技術・人文知識・国際業務」の就労資格を持つ外国人材Aさんと、自分とは異なる国籍のアルバイトスタッフ数十名とが同じ店舗で働いているなかで、Aさんは完璧ではないにしろある程度日本語で日本人スタッフとコミュニケーションが取れているため、アルバイトスタッフの管理を任せられていました。アルバイトスタッフは N 4取得を目指す日本語レベルの方たちだったので、店内の共通の言語は日本語ですが、日本語でのコミュニケーションが取れない状況になっていました。しかも唯一会話ができる日本人店長とも会話ができていなかったのです。
Aさんから話を聞く限りでは、 アルバイトが無断欠勤するたびに日本人店長が代わりに出勤して疲労困憊の状況だったため、Aさんは店長を気遣って相談しなかったということです。相談できる上司がいない、そして日本語の通じないアルバイトスタッフたち。今回第三者にあたるのが単にAさんと仲が良かった私だったのですが、実はこの後Aさんは会社を辞めるという話にまでなってしまいました。結果としては辞めない方向で落ち着くことになりましたが、もし第三者の存在がAさんの周りでいなかった場合どうなっていたんだろうと考えてしまいます。人に対して思いやり・配慮のある優秀な人材がいなくなってしまうところでした。業務が多忙になると人手が不足します。人手が不足するとコミュニケーションがままならない人材に対して目をかけてやる時間も比例して減少します。たとえアルバイトといえど、多国籍の人材で人手不足を解消するとなるとこのような問題が起こりやすくなりため、しっかりと雇用する目的と雇用後のシュミレーションを想定しておかなければなりません。同時に幹部候補生の相談窓口になる第三者の存在も必要だと思われます。
現場での多忙な業務に加えて、多国籍の人材の雇用が重なると、人数としては補えていても社内対応が機能しにくい状況になりやすいケースかもしれません。
人が足りずに日本人責任者が穴埋めをしている状況でほんの些細な相談事もできない状況は、コロナ前の飲食店ではよくある状況だったのではないでしょうか?コロナが解消された後、採用活動および経済が活発になることは誰しも期待に胸膨らませていることと思います。
その際は上記の例を踏まえて
「自社内の主体的なコミュニケーション」プラス「第三者の活用」
を視野に入れた上でコロナ後のスタートダッシュを検討してみてはいかがでしょうか?
第三者の方だから掴み取れる情報があります。また第三者の方しかできない効果的な伝えかたがあります。
当社が行っている日本語トレーニングは単に日本語を教えるだけではありません。外国人材が見せる表情・態度・立ち振舞いなどから変化を掴み取り、第三者として雇用主と共有することが可能です。
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