今後、外国人が日本で働ける職域、雇用できる年数が大幅に緩和されていきます。しかし「緩和」というものには必ず落とし穴が存在します。
簡単に言えば、量が見込める代わりに質が担保されないということです。
背景には、いつまでも優秀な外国人が働きにくる国=日本 ではないということです。
雇用する側にとっては、様々な問題が想定されますが、真っ先に直面するのがコミュニケーションの問題です。日本人同士でもトラブルの8割はコミュニケーションがきっかけと言われますが、外国人に関してはそれ以前の問題となります。
今回の内容はそんな問題を解決するための土台作りに役立つノウハウとなります。ぜひ参考にしてみてください。
1 入社時に大量の付箋をプレゼントする
これは安上がりですぐに実践できます。入社した外国人に家中のあらゆるものに日本語で書いた付箋を貼るように指示します。身近な道具や物の全てに日本語で書いて貼り付けておきます。毎日、目にすることで単純な暗記から必要な学習に早変わりします。
2 業務でよく使う単語、言葉はあらかじめまとめておく
よく、専門用語(業界用語)が聞き取れないと仰る方がいます。「専門用語がわからない」ということがわかっているのであれば、これをまとめて一覧にしておくことで、外国人スタッフが早く習得できるきっかけになります。
問題は前後の文脈が聞き取れていないので他の施作が必要ですが、ここではまずは雇用側で最低限できることだけを述べます。また、これは雇用している側である自社の日本人スタッフでしかできない領域です。
このまとめ作業をすることで、業界用語、地域用語、自社でしか通用しない用語といったこれまで意識してこなかったことが色々見えてきます。まずはお試しあれ。
3 業務以外で社内の日本人スタッフとのコミュニケーションの場を仕組み化する
雑談は会話力アップに最適な環境です。ただし、日々の業務と雑談の場を明確に分けておかなければなりません。そうすることで仕事とそれ以外のメリハリが自然と身に付く環境になりやすいです。
また、高度人材ほど相手を気遣って何度も聞き返しにくい感情が芽生えがちです。雑談できる場を設けることで、業務時とは違って聞き返しやすい状況を作ってあげることも会話力アップのきっかけになったりします。
4 毎日母国語で日記を書かせる
日本語力の向上に役立つからと言って、日本語で毎日日報を書かせる企業をちらほらお見かけすることがあります。
これは、有益に見えそうですが、所詮日本語しか話せない日本人が考えたアイデアに過ぎません。なぜならいきなり日本語で書き始めると、自分の知っている表現しかできないため、おそらく毎日同じ内容になっているかと思います。
やり方を逆にしましょう!
まずは母国語で最後まで書いてもらいます。全て書き終わったら、その後日本語に訳してもらう。その際はスマホなどの翻訳機能を使っても構いません。
自分が表現したい表現が日本語にしたらどうなるかを自分自身で知ることが大切です。そして自分がよく使う表現が何なのかを知ると同時に最優先で覚えないといけない言葉が何なのか知るきっかけになります。また、苦労して得た知識は、簡単に忘れません。
ポイントは日報ではなく、気持ちや感想を書かせる日記という点です。
5 母国語禁止令を出す
甘ったるい環境は1ミリも成長しません。環境は人を変えます。最初は大変ですが、3年後逞しく成長している姿が浮かびます。
6 日本人が外国語を学んでみる
母国語しか話せない人は、外国語を習得させるために何が必要なのか最適解に辿り着くのが難しいです。日本人側が日本語以外の言語を学ぼうとすることで、何が必要になってくるのかだんだんとわかるようになってきます。
以上が、できるだけコストをかけずに日本語会話力を伸ばす秘訣になりますが、これはあくまでも外国人雇用をして、その外国人スタッフに日本語がうまくなって欲しいと願う企業が最低限やっておかなくてはいけない内容でもあります。
日本人スタッフには研修やセミナーなど、持続的な効果があるのかないのかわかりにくい物を提供している割には、外国人スタッフには意外と教育が疎かになりがちですが、この辺りは経営者がこの先何を見据えるのかによるのかもしれませんね。
こちらは、日本語教育を導入しようと検討する際、考え方や目的に対する教育基準の選定方法などをまとめたe-bookになります。参考にしてみてください。
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