大きな勘違い
いきなり残念なお知らせから始まりますが、勉強をいくらやっても、会話力は向上しません。
実はこれは日本人が一番よく理解しているのではないでしょうか?今まで中学・高校・大学受験と何年も英語を勉強してきたにも関わらず、「話せない」「聞き取れない」という方がほとんどではないでしょうか?
そうなんです。発声トレーニングをまったく授業で実施されてこなかったのと、発声トレーニングが会話において最も大切なトレーニングだと説明できる人が少なかったからです。もちろん日本語だけで生活も仕事も賄える環境があったことも事実です。
しかし、もし英語の授業が勉強中心ではなく会話力を上げるための授業だったとしたら 日本人はもっと早くからグローバルな世界で活躍する人が増えていたのではないでしょうか? 同時に母国語以外の言語を習得するために必要なものの理解が低い国民になってしまっています。ですので日本語能力検定試験などの点数で判断できる物差しでしか外国人材を計ることができなくなってしまっています。
日本の現実
今日本は、人口減少そして3人に1人が60歳以上の超高齢化社会に突き進んでいます。今のところこの流れが止まる気配はありません。
その中で不足する労働力を補うための 手段として、
・外国人材の活用
・ AI の導入
・ 企業淘汰( M & A)
などが代表的な手段としてあげられますが、人の手を介さないと成立しない仕事がまだまだ多く存在します。 このような仕事は技能実習制度や特定技能と言った外国人材を活用する制度や就労資格者によって支えられています。 しかしこういった制度や資格も、徐々に国内での法整備が進む中でこれまでは3年などの短期での扱いだったのが5年10年と言った長く働ける制度になっています。
つまり、そこまで深く関わらなくてもいい短期労働者の扱いではなく、かけがえのないチームメイトとしての受け入れ体制、態度が必須の世界になります。 チームメイトとして受け入れるためには、会話というコミュニケーションの手段は避けては通れません。また人と人とが理解するのは、会話を介して行われることが最も自然で、最も距離が縮まりやすいです。
会話力習得の考え方
ではその会話力とはどういったことをすれば、効率よく向上するのか?
日本語会話の練習をスポーツのトレーニングと同じように考えています。 野球のプレイヤーになりたければ図書館で本を読むより、実際に練習で体を動かし体得していきますね。 日本語会話力の習得方法も同様で、 日本語を話せるようになりたければ日本語を話す練習をどれだけするかにかかっていると考えています。 つまり、日本語を話すスピードトレーニングをたくさんすることが最も大切です。
おそらく日本人のほとんどの方は、最初は頭の中で文法を考えてそこから日本語に置き換えて口にするという固定概念があるのではないかと思います。 しかし、頭の中で文法を考えている間は流暢な会話力は身につきにくいのです。まずは考えずに言える反射力、流暢さを養うことが先決です。もちろん、最初から完璧にできる人はいません。 考えずに言える反射力、流暢さはシャドーイングを継続して取り組んでいくことで徐々にできるようになっていくので諦めずに取り組むことが必要です。また反射力を養う最適なトレーニングとして、母国語を聞いてすぐに日本語に通訳するトレーニングが最適です。「聞くだけで話せるようになる」といった類のトレーニング方法はほぼ効果はありません。 必ず声に出すことで自分の声を自分の耳で聞くことが大切です。
作文(よみ書き)と会話(聞く話す)
言語が英語であれ、日本語であれ、ベトナム語であれ、作文と会話は全く異なる能力です。作文とは、一方的に発信されるコミュニケーション手段であり、会話とは双方向のコミュニケーションを前提としています。作文で大事なのは何よりも正確性で、時間はどれだけ使っても問題ありません。一方会話で重要なのは時間であり、多少不正確であっても、双方向なので修正しながらコミュニケーションを進めることができます。例えば、メールで相手に何かを伝えるとき、正しく伝えるために何度も読み直し、表現を正しく直すために、10分でも20分でも考える時間があります。一方、会話をする時に正しく相手に伝えようと10秒間黙って考え込んでしまったらどうなるでしょうか?会話としては成り立たなくなってしまいます。
正確性は文法や語彙などの「知識」、スピードや反射力は「練習」を通してしか身につけることはできません。
つまり「作文能力」と「会話能力」はそもそも違う能力なので、鍛え方もそれぞれ異なります。日本語の知識をどれだけ身につけても話せない理由はここにあります。
アウトプットの場
会話力は、スポーツや楽器のように練習を通してのみ身につけることのできるものだと考えます。日本語を話すためには、話すトレーニングを通して初めて身につけることができるという考え方です。
実はこれも多くの日本人が勘違いしているポイントなのですが、海外に長期滞在すれば英語を話せるようになると考えている方が多くいます。現実的には、海外に行っても話せるようにならない人もたくさんいらっしゃいます。その違いは何かと言いますと、海外で外国人相手にどれだけ話したかなんです。海外生活をして、普段から英語のシャワーを浴びていても、日本人としか話さなければ、英語を話せるようにはなりません。
このような事例からも、毎日の発声トレーニングだけではなく、スポーツのようにアウトプットを行える環境があってこそ話せるようになると考えています。
プロによる矯正、フォローアップ
学習者によって、それぞれ行き詰まる箇所が異なります。特に最近の技能実習生は現地の送出し機関の教育水準が下がっています。教育レベルが下がっている理由として、私が実際にベトナムの日本語センターや送り出し機関をいくつも訪問し実際にこの目で見てきた感想ですが、日本語が上手く話せない現地の人が教師として教科書を右から左に読んでいるだけの教育になってしまっているからです。ネイティブの日本語教師を雇用するのはコストがかさむため、日本での技能実習を修了した少し日本語を知っているベトナム人を教師として雇用し、日本語を教えています。つまり技能実習で日本で習得した技術を母国に帰って生かさず関連した業務に携わっていないということです。
これは日本の企業・団体がこれまで技能実習生またはその仕組みそのものに日本語での会話力を必要としてこなかったツケがここに来ています。
また技能実習生だけではなく、技術人文知識国際業務の就労資格を持つ高度な人材までも、 N 1や N 2を取得することが先行し、業務に必要な日本語での会話力が 取得している資格に比例していないことが多く見受けられます。
話は戻って、このように 会話力が欠如している外国人材は技能実習生や高度人材など資格は問わずどのレベルでも多くなってきています 。
会話力の向上をスピードアップさせるためには、個々人がそれぞれ行き詰まっている箇所に焦点を当て理解を促進するプロの日本語教師による矯正、フォローアップが近道です。
いつもそばにいる日本人
最も身近な日本語教師は、ともに働く皆さんです。
ここで言う日本語教師というのは、前述したプロの日本語教師という意味ではなく、毎日一緒に働く日本人の皆さんの使う日本語がお手本になるんですよという意味です。
特に難しい文法を説明したりすることではありません。毎日短くても日本語で話しかけてあげる。もしくは一生懸命日本語で話していることを聞いてあげることが日本語会話力の習得において最も大切な要素かもしれません。
単に教材を提供する、勉強の場を設けるだけでなく、先に挙げたアウトプットの場、アウトプットの手段を毎日働く職場で創出することが非常に大切です。
これら全ての要素が組み合わさった環境になれば、日本語での会話力の習得は劇的にスピードアップが図れます。
・本人の毎日の発声トレーニング
・プロによるフォローアップ
・アウトプットの場・手段の創出
このすべてをカバーできるのが、ベトナム人雇用企業専用「超スピーキング特化日本語トレーニング」です。
詳しくはこちらから確認できます。
外国人雇用社向けに有益な情報を発信するインスタグラムはこちら。