外国人材との会話におけるちょっとしたコツ

日本で働く外国人がすぐに転職・離職してしまう理由のほとんどが、「社内で日本人とのコミュニケーションが無い」ことが引き金になっています。

転職・離職そして失踪が多い企業で共通していることは、

「仕事以外で外国人材との共有ごとが社内に無い」

ことです。

何からどうやってコミュニケーションを始めたらいいかわからない場合は、彼ら彼女たちが不安を抱いている「日本語での会話」を鍛えることを社内の仕事以外の共有ごととして始めてはいかがでしょうか?

特に技能実習生や今後ますます需要が見込まれる特定技能の人材は、高度人材と違って日本語力が低い人材となります。

では、その外国人材との会話において、気をつけなければいけない点をまとめてみました。

 

外国人材との会話におけるちょっとしたコツ(聴く側)

 

 <最後まで聞こう>

人の話を遮って話しかけてくる人って、たまにいますよね。
そういう人は、自分の伝えたいことを話すことがミッションになっているので、こちらからの伝えたい内容はほぼ伝わっていないです。
私もそういう人との会話はイラっとします。

外国人材との会話でも同様で、日本語での会話が難しい方の話を最後まで聞いても、何を言っているかよくわからないことがありますが、途中で遮る方は、自分の日本語力うんぬんではなく、外国人材からすると人の話を聞いてくれない方だと判断されます。
途中で遮らずに最後まで話しきるところまで聞いてあげましょう。

また、おそらくこんな内容だろうと勝手に判断してしまうと、ほぼ真逆の意味になってたりしますので、最後まで聞いて、話している内容・意味を確認することをおすすめします。

日本語を覚えたてで、いっぱい会話しようとする外国人材は会話力の伸びしろが非常に大きいです。こういった外国人材は、最後まで言いたいことを話させてあげましょう。

どんどん日本語で会話できると思わせる環境づくりは、後の仕事環境に大きなプラスの影響を与えます。全てを聞いた後に笑顔で確認をしましょう。

 

  <間違ってもいいんです>

会話なので多少の文法が間違っててもいいんです。その場で言い直すことができるのが会話の特徴です。
日本人同士の会話でも言い間違ったり、噛んだり、どもったりしますよね。でもその場でいい直せば何の問題もないですよね。
テストでもないのに間違いを指摘することが多くなると、だんだん話かけづらくなります。
いっぱい日本語で間違うことが上達の近道です。またそれを聞いてあげる環境づくりもさらなるコミュニケーション力アップの秘訣にもなります。

日本語をチェックしてあげる時間は、それ専用で設けましょう!

 

  <目を見て聞いてあげよう>

忙しくなると、作業しながら人の話を聞いてしまってたりします。私もよくやってしまいます(反省)。
話している方からすると非常に寂しい気持ちにさせてしまうので、注意しましょう!また話し相手が険しい表情だと、誰でも話しづらいですよね。特に日本語での会話力が低い方は、聞き手の表情が大きな情報元となります。話し手の目を見ないことも不安にさせる一因となりますので、話を聞く際は穏やかな表情でしっかりと聞いてあげることが大切です。 

 

  <決めつけて意味を判断しない>

外国人材との会話において、いっぱい話を聞くけれど結局意味が分からない事ってありますよね。こういった場合、そのままにするのではなく必ず意味を確認してから進めてください。

一つ一つを短い文章で表現してもらうことを示唆するのがおすすめです。 

 

 

外国人材との会話におけるちょっとしたコツ(伝える側)

  <一文を短くしましょう!>

みなさんのまわりで話だけ長くて、結局何が言いたいのかわからない人っていませんか?

外国人のN1やN2保持者でも伝えたいことが多いあまり、結局何が言いたいのかよくわからない状況に陥りがちになります。

日頃から、日本人側から短く簡潔に伝えることで、「一文一文短く区切って伝えても伝わるんだよ」という状況を作るのもいいかもしれませんね。

 

  <カタカナ英語を使わない> 

日本にはひらがな、漢字、カタカナが存在します。特にカタカナは英語を無理やり表現したものなので、英語圏の方でも理解が難しくなります。ましてや英語圏ではない外国人の方にとっては全く理解ができません。また全ての外国人材が英語を話せるわけではありませんので、カタカナ英語は使わないようにしましょう。

 

  <ジェスチャーを交えましょう!>

極端に言えば、会話ができなくてもジェスチャーだけでその場を対応できることもあります。ましてやジェスチャーをしながら会話をすることでより内容の理解・温度感・感情が伝わり安くなります。 

一般的におとなしいと言われる日本人は、オーバーリアクションがいいかもしれませんね。 

 

  <ホワイトボードなどを活用しましょう!>

「100,000」って英語でどう言いますか?パッと出てこないですよね。外国人も全く同じです。

数字に関しては、口頭だけでなく(紙やホワイトボードなどを使って)目から得られる情報をもとに会話をすることをおすすめします。

頭では理解していても、日頃から発声トレーニングをしていないとパッと出てこないです。

発声トレーニングとしては徹底的に耳と口を鍛えるのが最良の方法ですが、現場での伝え方は耳からの情報だけではなく最良の方法を工夫しましょう。 

 

  <相手に望む行動は、はっきり短文で伝えましょう!>

日本人同士で人に依頼するときは、丁寧に伝えますよね。

ところが、日本語が伝わりにくい方にとっては、丁寧すぎると文章が長くなってしまうので逆にわかりにくくなってしまいます。

一区切りづつ短い文章にして伝えるのが、相手は理解しやすいです。

 

  <語尾は単純明快にしましょう!>

日本語の多くの表現は、「〜します、〜しません」など語尾次第で全ての意味が変わってきます。

日頃、聞き取るトレーニングをしていない外国人材にとって、語尾をはっきり伝えない表現方法は、真逆の意味で認識される可能性もあります。

また、「〜できないことはない」など二重で否定する表現などは「〜できる」などに置き換えないといけません。

おそらく、ぺこぱの漫才の面白さは外国人には全く伝わっていない。かもしれません。

 

  <話ことば(口語)で伝えましょう!>

敬語や丁寧な表現は、技能実習生、特定技能レベルの外国人材にとっては聞き取ることが不可能と言っても過言ではないです。

イメージとしては、小学校低学年の子供たちにも伝わるレベルを意識すれば、伝わりやすいです。

そこから徐々に、日本語での会話頻度を上げるのがおすすめです。

特に敬語は、日本語の特徴でもあり、外国人にとっては難しいです。

例えば、日本人は得意先や取引先に対して話すときは、ほぼ敬語を使用します。このとき、実は横で聞いている外国人からすると、たとえN1保持者であっても、ほぼちんぷんかんぷんな状況になることが多いです。

同じ意味のことを言ってても、外国人にとっては、敬語が入ると全く意味も聞き取ることも難しくなります。

それぐらい、人によって使い分けられる敬語は外国人にとっては難しい表現です。

社内で指示や説明をする際、丁寧に接するあまり、逆につたわりにくくなっていることもあるので、説明や指示したあとは理解しているかどうか確認することを、伝える側が癖づけすることおすすめします。

 

  <大事なことは3回は説明しましょう!>

日本語での会話力が低い外国人材は、聞き取る行為で精一杯です。

聞き取れたうえで、理解までにいたるには一回ではなく、複数回にわたって伝えることが必要です。

理解ができたかどうか確認するには、本人に復唱してもらうことをおすすめします。

 

もうすでに実践しているよ!という企業・団体もあると思います。同時に仕事の現場は忙しいので、いちいち構ってあげられないといった企業も多いのも事実です。しかし、今後の日本での外国人雇用は、短期労働者として受け入れる姿勢では到底長続きはしません。これからは日本人を雇用して事業を発展させること、そして国内市場だけでの成長は大きく見込めません。今、勇気を出して来日してくる外国人材をうまくマネジメントして事業を発展させることが、5年後、10年後を見据えた大きな可能性につながると考えます。

そのためには、まずは外国人のチームメイトに日本語を「聞き取る耳」と「会話する口」を徹底的に鍛えることからはじめましょう!そして、社内の仕事以外の共有ごととして「日本語会話のトレーニング」に寄り添うことで、日本人と外国人とのお互いがまだ理解できていないことを認識することから始めましょう!

 

こちらは、日本語教育を導入しようと検討する際、考え方や目的に対する教育基準の選定方法などをまとめたe-bookになります。参考にしてみてください。

 


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