特定技能(自動車整備分野)での就労可能な業務内容や、対象となる職種、
外国人材について解説いたします。
自動車整備分野での受入れ見込み数
自動車整備分野での外国人材の受入れ見込み数は、5年間で最大7,000人となっています。
少子化や国内での若者の車離れなど自動車整備要員の有効求人倍率は慢性的な上昇傾向にあり、
従事する従業員の平均年齢45.3歳に達していることなどが
特定技能外国人材の受入れの背景となっています。
平成28年4月より外国人技能実習制度による外国人材受入れも既に始まっており、「技能実習」からの
スライドと新たに「特定技能」による2軸での受入れとなります。
自動車整備分野での就労が可能な業務
<自動車の定期点検整備業務>
・道路運送車両法に基づく法定点検整備
ステアリング装置
ハンドル操作の不具合を防止するため、ロッドおよびアームの緩み、型、損傷などを点検します。
ブレーキ装置
ブレーキの効き不良を防止するため、ブレーキディスクの摩耗および損傷などを点検します。
走行装置
ホイールの脱落などを防止するため、ホイールナットおよびホイールボルトの緩みなどを点検します。
動力伝達装置
走行時の振動や動力伝達不良を防止するため、プロペラシャフト連結部の緩みなどを点検します。
電気装置
エンジンの始動不良や排気ガス悪化防止のため、点火プラグの状態などを点検します。
エンジン
エンジンの不具合を防止するため、冷却装置の水漏れなどを点検します。
サスペンション
サスペンションの異音の発生や不具合を防止するため、取付部および連結部の緩み、
がた、損傷などを点検します。
ばい煙・悪臭のあるガス・有害ガスなどの発散防止装置
熱害による火災発生などを防止するため、排出ガス減少装置の取付の緩みおよび損傷などを点検します。
<自動車の分解整備業務>
・エンジン、ブレーキ、ギアボックスなど重要部品を取り外して行う整備又は改造
分解整備とは、以下の装置を取り外して行う整備又は改造
- 原動機
- 動力伝達装置(クラッチ、トランスミッション、プロペラ・シャフト、ディファレンシャル)
- 走行装置(フロン・トアクスル、リア・アクスル・シャフト等)
- かじ取り装置(ギヤボックス、リンク装置等)
- 制動装置(マスタシリンダ、ブレーキ・チャンバ、バルブ類等)
- 緩衝装置(シャシばね)
- 連結装置(トレーラ・ヒッチ、ボール・カプラ)
上記の業務を一人で適切に行える技能水準(≒3級自動車整備士相当)が必要となります。
自動車整備分野での受入れ機関(特定技能所属機関)の基準
特定技能で外国人材を雇用する受入れ機関には2種類の基準があります。
①全業種共通の基準
②業種別の基準
①に関しては特定技能「受入れ機関」についてを参照ください。
②業種別(自動車整備分野)の基準として、受入れ機関には以下のような義務が課せられています。
ア 道路運送車両法(昭和26年法律第185号)第78条第1項に基づく、地方運輸局長の認証
(限定認証や二輪のみも含む。)を受けた事業場であること
イ 国土交通省が設置する自動車整備分野に係る特定技能外国人の受入れに関する協議会の構成員になること
ウ 上記2の協議会に対し、必要な協力を行うこと
エ 国土交通省が行う調査又は指導に対し、必要な協力を行うこと
オ 登録支援機関に1号特定技能外国人支援計画の実施の全部を委託する場合にあっては、
以下のいずれにも該当する登録支援機関に委託すること
1)上記イ~エいずれにも該当すること
2)自動車整備士1級若しくは2級の資格を有する者又は自動車整備士の養成施設において
5年以上の指導に係る実務の経験を有する者を置くこと
他の業種と異なり、自動車整備業における登録支援機関は、オの2)のように関連する有資格者がいることが
前提となっていますので、ご注意ください。
特定技能外国人材の雇用形態
直接雇用に限ります。
自動車整備業で働く特定技能人材に必要な要件
特定技能(自動車整備)を取得するためには、以下の2パターンがあります。
パターン1:技能試験と日本語試験に合格する
①技能水準
「自動車整備分野特定技能評価試験」(仮称)又は「自動車整備士技能検定試験3級」
②日本語基礎テスト、または日本語能力試験(JLPT)N4以上
パターン2:自動車整備分野の技能実習2号を良好に修了する
<①自動車整備分野特定技能1号評価試験の概要>
自動車整備業における「技能評価試験」です。
当該試験は、
1 実施言語
日本語(必要に応じてルビを付す)
2 実施回数
年おおむね1回程度を予定
3 実施場所
国外(フィリピン、ベトナム)を予定
開催国変更の可能性あり
<②日本語基礎テスト、または日本語能力試験(JLPT)N4以上>
特定技能外国人材に求める資格として、日本語力も必要とされます。
・日本語基礎テスト(国際交流基金)A2以上
もしくは
・日本語能力試験(国際交流基金)N4以上
の資格が必要です。
日本語基礎テストは、すでにフィリピンで介護分野の技能試験の受験者からの申込みを優先的に受け付けが始まっています。
日本語能力試験は、日本語を学ぶ留学生のほとんどが指標とする試験で、年間2回実施されます。
受入れ機関の手続き(概要)
<前提となる条件>
・外国人を雇用する事業場が、認証工場である必要があります。
・外国人と結ぶ雇用契約において、日常点検整備、定期点検整備、分解整備に従事させる必要があります。
※関連業務として、車枠車体の整備調整作業などを行うことは差し支えありません
(ただし、専ら関連業務を行うことは不可)
- 登録支援機関を利用する場合、登録支援機関において
1「自動車整備分野特定技能協議会」に入会をすること
2 自動車整備士1級又は2級の資格を有する者又は自動車整備士の養成施設において5年以上の指導に係る
実務の経験を 有する者が置かれていること
(注:常勤、非常勤は問われませんが、地方出入国在留管理局により、個別に審査されます)
等が求められます。
<手続きの流れ>
1.雇用したい外国人の検討、雇用契約の締結
→ 受理をしましたら、協議会事務局より構成員資格証明書を発行します
*最寄りの運輸局、沖縄総合事務局で可能です。
*登録支援機関を利用する場合、登録支援機関も入会する必要があります。
3.雇用契約、支援計画、構成員資格証明書、自動車整備分野における特定技能外国人の受入れに関する
誓約書、地方運輸局長の認証を受けた事業場であることを証する資料等を揃えて、
地方出入国在留管理局に申請ください。
自動車整備分野特定技能協議会の窓口
自動車整備分野に係る特定技能外国人を受け入れようとする特定技能所属機関(自動車整備事業者)
又は登録支援機関(以下「特定技能所属機関等という。)が満たすべき基準として
協議会の構成員であることが必須。
このため、特定技能所属機関等は、特定技能外国人を受け入れる事業場を管轄する地方運輸局等まで、
入会届出書及び遵守事項を持参又は郵送する届出が必要です。
また、届出事項の変更や特定技能外国人の受入れを終了した等の理由により協議会の構成員でなくなった
特定技能所属機関等は、同じく届出が必要です。
<自動車整備分野特定技能協議会構成員申請相談窓口一覧>
【北海道】
北海道運輸局 自動車技術安全部整備・保安課
〒060-0042 北海道札幌市中央区大通西10丁目
電話: 011-290-2752
【宮城県・福島県・岩手県・青森県・山形県・秋田県】
東北運輸局 自動車技術安全部整備・保安課
〒983-8537 宮城県仙台市宮城野区鉄砲町1番地
電話: 022-791-7534
【新潟県・長野県・石川県・富山県】
北陸信越運輸局 自動車技術安全部整備・保安課
〒950-8537 新潟県新潟市中央区美咲町1-2-1 新潟美咲合同庁舎2号館
電話: 025-285-9155
【東京都・神奈川県・埼玉県・群馬県・千葉県・茨城県・栃木県・山梨県】
関東運輸局 自動車技術安全部整備課
〒231-8433 神奈川県横浜市中区北仲通5丁目57
電話: 045-211-7254
(東京運輸支局)
〒141-0011 東京都品川区東大井1-12- 17
電話:03-3458-9231 (ダイヤルイン4)
(神奈川運輸支局)
〒224-0053 神奈川県横浜市都筑区池辺町3540
電話:045-939-6803
(千葉運輸支局)
〒261-0002 千葉県千葉市美浜区新港 198
電話:043-242-7336 (ダイヤルイン3)
(埼玉運輸支局)
〒331-0077 埼玉県さいたま市西区中釘 2154-2
電話: 048-624-1835 (ダイヤルイン2)
(茨城運輸支局)
〒310-0844 茨城県水戸市住吉町353
電話:029-247-5348 (ダイヤルイン3)
(群馬運輸支局)
〒371-0007 前橋市上泉町399-1
電話:027-263-4440 (ダイヤルイン4)
(栃木運輸支局)
〒321-0169 栃木県宇都宮市八千代1-14-8
電話:028-658-6123
(山梨運輸支局)
〒406-0034 笛吹市石和町唐柏1000-9
電話:055-261-0882
【愛知県・静岡県・岐阜県・三重県・福井県】
中部運輸局 自動車技術安全部整備課
〒460-8528愛知県名古屋市中区三の丸2丁目2-1
電話: 052-952-8042
【大阪府・京都府・兵庫県・奈良県・滋賀県・和歌山県】
近畿運輸局 自動車技術安全部整備課
〒540-8558大阪府大阪市中央区大手前4丁目1番76号
電話:06-6949-6453
【広島県・鳥取県・島根県・岡山県・山口県】
中国運輸局 自動車技術安全部整備・保安課
〒730-8544 広島県広島市中区上八丁堀6-30
電話:082-228-9142
(広島運輸支局)
〒733-0036 広島県広島市西区観音新町 4-13-13-2
電話:082-233-9169
(岡山運輸支局)
〒701-1133 岡山県岡山市北区富吉 5301-5
電話:086-286-8155
(鳥取運輸支局)
〒680-0006 鳥取県鳥取市丸山町224
電話:0857-22-4110
(島根運輸支局)
〒690-0024 島根県松江市馬潟町43-3
電話:0852-37-2138
(山口運輸支局)
〒753-0812 山口県山口市宝町1-8
電話:083-922-5398
【香川県・徳島県・愛媛県・高知県】
四国運輸局 自動車技術安全部整備・保安課
〒760-0019 香川県高松市サンポート3番33号 髙松サンポート合同庁舎南館
電話:087-802-6783
(香川運輸支局)
〒761-8023 香川県高松市鬼無町20-1
電話:087-882-1355
(徳島運輸支局)
〒771-1156 徳島県徳島市応神町応神産業団地 1-1
電話:088-641-4813
(愛媛運輸支局)
〒791-1113 愛媛県松山市森松町1070
電話:089-956-1561
(高知運輸支局)
〒781-5103 高知県高知市大津乙1879-1
電話:088-866-7313
【福岡県・長崎県・大分県・佐賀県・熊本県・宮崎県・鹿児島県】
九州運輸局 自動車技術安全部整備課
〒812-0013 福岡県福岡市博多区博多駅東2丁目11番1号 福岡合同庁舎新館
電話:092-472-2537
【沖縄県】
沖縄総合事務局 運輸部車両安全課
〒900-0006 沖縄県那覇市おもろまち2丁目1番1号 那覇第二地方合同庁舎2号館5階
電話:098-866-1837
留意点
<受入れ可能な人数>
①特定技能としての受入れ
制度として、受入れの人数制限はないのですが、外国人を十分に支援できるかどうか
出入国在留管理庁において個別の審査があります。
②認証要件による制限
道路運送車両法に規定される従業員に対する整備士の要件が課されます。
※特定技能外国人は、整備士としてカウントできません。
※技能実習生の受入れも行っている場合、従業員数には技能実習生+特定技能+その他日本人の従業員が
カウントされますのでご注意ください。
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