特定技能(介護分野)での就労可能な業務内容や、対象となる職種、外国人材について解説いたします。
介護分野での受入れ見込み数
介護分野での外国人材の受入れ見込み数は、5年間で最大6万人となっています。
しかし、介護業界では5年間で約30万人の人手不足が生じると政府が試算しています。
介護分野は、近年の人手不足の深刻化を受けて様々な在留資格での外国人材の受け入れが始まっていますが、
いずれも人手不足を解消するまでには至っていません。特定技能の介護人材の受入れ数は6万人を予定
しており、人手不足解消に有効な資格として期待されています。
在留資格「特定活動(EPA)
経済連携協定(EPA)は、介護分野における外国人材の受入れ制度として2008年から2018年までの間で
インドネシア、フィリピン、ベトナムの3国から合計で4,265人の受入れ数。
EPAで受け入れた介護福祉士候補者には在留資格「特定活動」となります。
在留資格「介護」
2017年9月から始まった在留資格。介護福祉士試験の合格者が対象となり2018年10月までで177人の
資格取得者数。
在留資格「技能実習」
2017年11月から始まった新しい制度。2018年10月までで介護技能実習生数は247人。
介護業で働く特定技能人材に必要な要件
特定技能(介護)を取得するためには、以下の2パターンがあります。
パターン1:技能試験と日本語試験2種類の試験に合格する
<技能試験>
①介護技能評価試験
<日本語試験>
②日本語基礎テスト、または日本語能力試験(JLPT)N4以上
③介護日本語評価試験
パターン2:介護職種・介護作業の技能実習2号を良好に修了する
介護分野での就労が可能な業務
身体介護等(利用者の心身の状況に応じた入浴、食事、排せつの介助等)のほか、これに付随する
支援業務(レクリエーションの実施、機能訓練の補助等)の仕事をすることができます。
訪問介護などの訪問系サービスの仕事をすることはできません。
特定技能外国人材の雇用形態
直接雇用に限ります。
介護分野での受入れ機関(特定技能所属機関)の基準
1 受入れる特定技能外国人材の数は、事業所単位で、日本人等の常勤介護職員の
総数を超えないことすること
日本人「等」については、次に掲げる外国人材が含まれます。
① 介護福祉士国家試験に合格したEPA介護福祉士
② 在留資格「介護」により在留する者
③ 永住者や日本人の配偶者など、身分・地位に基づく在留資格により在留する者
従って、技能実習生は含まれないことになります。
2 介護分野特定技能協議会に加入し、加入後は協議会に対し必要な協力を
行うなどしなければなりません。
介護分野における特定技能協議会加入の流れ
地方出入国在留管理庁 への申請
初めて1号特定技能外国人を受け入れる法人は、地方出入国在留管理局への在留資格認定証明書の
交付申請の際に「1号特定技能外国人を受け入れた日から4か月以内に協議会の構成員となる」旨の
「誓約書」(※)を提出します。
※厚生労働省への協議会加入手続は、当該外国人材を受け入れた日から、4ヶ月以内に済ませなければなりません。
STEP1 申請書の請求・提出
厚生労働省ホームページより申請書のダウンロードができる予定です。
誓約書の様式は法務省ホームページに掲載されています。
STEP2 提出書類・内容の確認
提出書類の内容を確認するとともに、法人担当者との連絡(電話及びメール)が確認された場合に、
協議会の加入が認められる ことになります。
STEP3 協議会へ加入完了
申請法人に「証明書」をメールで送付(ご希望により郵送でも可)をいたします。
以後、1号特定技能外国人を受け入れる場合は、
地方出入国在留管理局への在留資格認定証明書の交付申請の際に、証明書の添付が必要です。
※変更の可能性があります。
<介護技能評価試験の概要>
1 実施言語
試験実施国の現地語
2 実施時期及び実施場所
2019年度は5〜6回程度。概ね4月、6月、以降に3~4回程度
国際交流基金日本語基礎テストを実施することとされた9 か国
(ベトナム、フィリピン、カンボジア、中国、インドネシア、タイ、ミャンマー、ネパール、モンゴル)
のうち国際交流基金日本語基礎テストの実施環境などが整った国から順次実施予定です。
第1回:4月13日(土)〜14日(日)フィリピン
第2回:5月25日(土)〜27日(月)フィリピン
第3回:6月15日(土)〜16日(日)フィリピン
第4回:6月22日(土)〜24日(月)フィリピン
3 受験資格者
17歳以上の者
4 試験水準
介護技能評価試験の試験水準は、介護職種・介護作業の第2号技能実習修了相当の水準である
介護技能実習評価試験と同等の水準(注)とする。
(注)介護業務の基盤となる能力や考え方等に基づき、利用者の心身の状況に応じた介護を
自ら一定程度実践できるレベル
5 試験科目
試験時間 60 分 問題数 45 問
(学科試験:40 問)
・介護の基本(10 問)
・こころとからだのしくみ(6問)
・コミュニケーション技術(4問)
・生活支援技術(20 問)
(実技試験:5問)
・生活支援技術(5問)
※判断等試験等(注)の形式による実技試験課題を出題 (注)写真等を提示して、
正しい介護の手順等についての判別、判断等を行わせる試験
6 合否の通知方法
試験後2週間(※)以内を目途に、結果通知書(氏名、生年月日、性別、国籍、 顔写真、受験日、受験地、
結果通知の発行者、試験名等の基本情報を含む。)を E メールで送付する。
(※)4月及び6月実施の試験については1か月
7 試験の申し込み
厚生労働省ホームページより申し込みが可能です。
<介護日本語評価試験の概要>
1 試験言語
介護日本語評価試験に使用する言語は、日本語とし、指示文を試験実施国の現地 語とする。
2 実施時期及び実施場所
介護技能評価試験と同じ
3 受験資格者
介護技能評価試験と同じ
4 試験水準
介護日本語評価試験は、介護現場で介護業務に従事する上で支障のない程度の水準 とする。
5 試験科目
試験時間 30 分 問題数 15 問
・介護のことば(5問)
・介護の会話・声かけ(5問)
・介護の文書(5問)から構成。
6 合否の通知方法
介護技能評価試験と同じ
7 試験の申し込み
厚生労働省ホームページより申し込みが可能です。
<②日本語基礎テスト、または日本語能力試験(JLPT)N4以上>
特定技能外国人材に求める資格として、日本語力も必要とされます。
・日本語基礎テスト(国際交流基金)A2以上
もしくは
・日本語能力試験(国際交流基金)N4以上
の資格が必要です。
日本語基礎テストは、すでにフィリピンで介護分野の技能試験の受験者からの申込みを優先的に受け付けが始まっています。
日本語能力試験は、日本語を学ぶ留学生のほとんどが指標とする試験で、年間2回実施されます。
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