特定技能(宿泊分野)での就労可能な業務内容や、対象となる職種、外国人材について解説いたします。
宿泊分野での受入れ見込み数
宿泊分野での外国人材の受入れ見込み数は、5年間で最大22,000人となっています。
しかし、宿泊業界では5年間で約10万人の人手不足が生じると政府が試算しています。
直近では東京オリンピックも控え人材獲得の争奪戦が想定されます。
特定技能で就業可能な14業種のうち、外食業と宿泊業のみが既存の技能実習制度で認められらた
業種ではありません。
つまり特定技能の就労資格は、技能実習2号を終了した人は無試験で特定技能へ移行することができるように
なっており、当初その技能実習を終了した人達が無試験でスライドしてくることが想定されているのですが、
外食と宿泊だけは、所管する省庁が実施する特定技能ビザに関する試験を受けて
特定技能ビザを許可するという流れになります。
宿泊分野での就労が可能な業務
対象となるのは、旅館、ホテル、その他宿泊施設となります。
簡易宿所営業・下宿営業は対象外となります。
・フロント
・企画・広報
・接客及びレストランサービスなどの宿泊サービスの提供に係る業務
上記業務に加えて、当該業務に従事する日本人が通常従事することとなる関連業務に付随的に
従事することは問題ありません。
関連業務として想定される例として、
・旅館、ホテルの施設内の土産物などの売店における販売業務
・旅館、ホテルの施設内の備品の点検・交換業務
などになります。
これまで技術・人文知識・国際業務の就労資格では、
宿泊業のスタッフの仕事の一部(配膳や荷物運搬、清掃など)は単純労働として認められませんでしたが、
特定技能の資格では、日本語学校を卒業した留学生や職務とは関係のない分野を専攻した専門学校生も
特定技能の試験を受けて、宿泊施設の社員として働くことができます。
宿泊分野での受入れ機関(特定技能所属機関)の基準
特定技能で外国人材を雇用する受入れ機関には2種類の基準があります。
①全業種共通の基準
②業種別の基準
①に関しては特定技能「受入れ機関」についてを参照ください。
②業種別(宿泊分野)の基準として、受入れ機関には以下のような義務が課せられています。
1 旅館・ホテル営業(旅館業法第 2 条第 2 項に規定する旅館・ホテル営業をいう。)の許可を受けて
旅館業を営んでおり、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律第 2 条第 6 項第 4 号に
規定する施設(ラブホテル等) に該当しないものでなければなりません。
2 特定技能外国人材に対して「風俗営業法」第2条第3項 に規定する「接待」を行わせないこと
3 初めて宿泊分野の特定技能外国人を受け入れる場合には、当該特定技能外国人の入国後4か月以内に、
国土交通省が設置する宿泊分野に係る特定技能外国人の受入れに関する協議会に加入し、加入後は
協議会のほか、国土交通省が行う調査又は指導に対し、必要な協力を行うなどしなければなりません。
4 入国後4か月以内に協議会に加入していない場合には,特定技能外国人の受入れが
できないこととなります。
5 また協議会に対し、必要な協力を行わない場合には、基準に適合しないことから、
特定技能外国人の受入れができないこととなります。
6 特定技能所属機関が1号特定技能外国人支援計画の全部の実施を登録支援機関に委託する場合には、
当該登録支援機関は、宿泊分野に係る特定技能外国人の受入れに関する協議会に加入し、加入後は
協議会のほか、国土交通省が行う調査又は指導に対し、必要な協力を行うものでなければなりません。
宿泊分野に係る特定技能外国人の受入れに関する協議会に関する問合せ先
国土交通省観光庁観光産業課観光人材政策室 03-5253-8367
【確認対象の書類】
・旅館業許可証(旅館・ホテル営業許可書)
・宿泊分野における特定技能外国人の受入れに関する誓約書
・宿泊分野に係る特定技能外国人の受入れに関する協議会の構成員であることの証明書
特定技能外国人材の雇用形態
直接雇用に限ります。
宿泊業で働く特定技能人材に必要な要件
特定技能ビザ(宿泊)を取得するためには、技能試験と日本語試験に合格し
在留資格を申請しなければなりません。
①宿泊業技能測定試験
②日本語基礎テスト、または日本語能力試験(JLPT)N4以上
<①宿泊業技能測定試験の概要>
宿泊業における「技能評価試験」です。
業界で必要とされる技能や知識である「フロント業務」「接客業務」「レストラン・サービス業務」
「広報・企画業務」「安全衛生・その他基礎知識」の5つのカテゴリーより出題され、
日本の旅館・ホテルでの業務に従事するための技能レベルを確認します。
試験は筆記・実技に分かれ、筆記試験は真偽法による30問を出題、実技試験は上のカテゴリーより
1パターンを選出し、現場を想定した実際の対応能力を判定する予定です。
1 実施言語
試験言語は「日本語」とする。
ただし、専門用語等については注釈として英語や試験実施国の現地語等、他の言語を記載することも
できるものとする。
2 実施時期及び実施場所
第一回 4月14日(日)札幌・仙台・東京・名古屋・大阪・広島・福岡にて実施
第二回 10月 予定
3 受験資格者
試験実施日当日において年齢17歳以上の外国人とする。
ただし、日本国内で試験を実施する場合にあっては、
中⻑期在留者⼜は過去に本邦に中⻑期在留者として在留した経験を有する者を対象とし、
次に掲げる者を除く。
なお、試験を実施する手続きにおいて下記に該当するか確認できない場合は、
最終的には出⼊国在留管理庁における在留審査において確認されることとなる。
(ア) 退学⼜は除籍処分となった留学⽣
(イ) 失踪した技能実習⽣
(ウ) 在留資格「特定活動(難⺠認定申請)」により在留する者
(エ) 在留資格「技能実習」等、当該活動を実施するに当たっての計画(以下「活動計画」という。)の
作成が求められる在留資格で現に活動中の者(その活動計画の性格上、他の在留資格への変更が予定
されていないもの、⼜はその活動計画により当該活動終了後に特定の在留資格への変更⼜は在留期間
の更新が予定されているもの)。具体的には、以下の在留資格に係る活動計画に基づき活動中の者
A) 「技能実習」
B) 「研修」
C) 「特定活動(日本料理海外普及人材育成事業)」
D) 「特定活動(特定伝統料理海外普及事業)」
E) 「特定活動(製造業外国従業員受⼊促進事業)」
F) 「特定活動(インターンシップ)」
G) 「特定活動(外国人起業活動促進事業)」
H) 「経営・管理(外国人創業人材受⼊促進事業)」
(オ) 退去強制令書の円滑な執⾏に協⼒するとして法務大臣が告示で定める外国政府⼜は地域の権限ある機関の
発⾏した旅券を所持していない者(イラン・イスラム共和国の発⾏した旅券を所持している者)
4 受験の申請手続き
試験は一般社団法人宿泊業技能試験センターのホームページから試験の申し込みが可能です。
<受験申し込み>
前回はホームページより受講手続き後、指定の振込先に期日までに受験手数料(2,000円)を納付。
5 試験科目及び出題範囲
(筆記試験)選択式真偽法(マークシート方式)、30問、60分
(実技試験)口答による判断等試験、6問、5分程度
※共に出題範囲は、「宿泊業のフロント、企画・広報、接客、レストランサービスに関わる知識・技能」
から出題されます。
6 合格基準
総合点で概ね65%を基準に宿泊業技能試験センターが相当と認めた得点。
ただし、総合点のほかに各試験科目について一定の得点を必要とするものとする。
7 合否の通知方法
一般社団法人宿泊業技能試験センターのウェブサイトのマイページ内で合否の結果が表示されます。
また、合格者が日本国宿泊業界の企業への就職が決定したのち、合格者本人及び就職先企業からの
申請をもって「技能試験に係る合格証明書」の発⾏をいたします。
発⾏申請は、2019年5月25日以降、随時受け付けます。
詳細は、別途ホームページへ掲載予定です。
<②日本語基礎テスト、または日本語能力試験(JLPT)N4以上>
特定技能外国人材に求める資格として、日本語力も必要とされます。
・日本語基礎テスト(国際交流基金)A2以上
もしくは
・日本語能力試験(国際交流基金)N4以上
の資格が必要です。
日本語基礎テストは、すでにフィリピンで介護分野の技能試験の受験者からの申込みを優先的に
受け付けが始まっています。
日本語能力試験は、日本語を学ぶ留学生のほとんどが指標とする試験で、年間2回実施されます。
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